私たちの生活に欠くことのできない水道水。
その実態を探究してみました。
なぜ、塩素消毒をするの?
身体に害はないの?

トリハロメタンについて、詳しく知りたい。
「苛性ソーダが注入されている」
って、本当ですか?
水道水ができるまで(浄水場の仕組み)のページも参考にしながら見てください。 農薬や化学肥料の問題は、
どうでしょうか?
「硝酸性窒素」って、どんなものですか?


なぜ、塩素消毒をするの? 身体への害は?

河川や湖沼が生活排水や工場廃水で汚染され、水道原水に雑菌類が増殖しています。
だから、食中毒や伝染病が発生しないよう、殺菌力が強くてコストが安い塩素で消毒しているのです。

なるほど! 「塩素で消毒されているから安心だ」というわけですね。だけど、本当に大丈夫なんですか?
「塩素は毒だ!」と言う人もいるようですが。

確かに塩素は有毒で、嫌な刺激臭もありますが、水道水に入っている程度の塩素では、人体に直接的な問題はありません。
ところが、塩素消毒によって、発ガン性物質のトリハロメタンが生成されてしまうことが問題です。さらに、塩素の入った水道水で炊飯したり料理をすると、米や食材の栄養素、特にビタミン類が破壊されてしまうことも問題です。

発ガン性物質のトリハロメタンが生成されてしまうだけではなく、栄養素まで破壊されるなんて、大変なことですね。
それじゃ、出来るだけ塩素が少ない方がいいのですね。

ところが、水道水質基準では、蛇口での残留塩素の濃度を0.1mg/L(0.1ppm)以上とだけ決められていて、上限が決められていません。
原水の汚染も年々酷くなる一方で、それに伴って塩素の注入量が増やされています。特に、夏場には多量の塩素が入れられるようです。

水道水質基準で上限が決められていないなんて、
驚きますね。
最近は、「高度浄水処理」という、オゾンで殺菌する
方法も採用されているようですが、どうでしょうか?

オゾンで殺菌する「高度浄水処理」は、塩素消毒より安全なように思われがちですが、送水中にも消毒殺菌が必要なために、どうしても送水の段階で塩素を注入しなければなりません。だから、蛇口から出てくる水道水には、やはり塩素が含まれていることには変わりないんだよ。


トリハロメタンについて、詳しく知りたい。

トリハロメタンとは、浄水場で塩素消毒する際に、水に含まれる有機物質と塩素が反応して生成される、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4つの物質の総称です。
これら4つの物質の各濃度の合計を「総トリハロメタン」と呼び、水道水質基準では、0.1mg/L(0.1ppm)以下としています。
また、「トリハロメタンには発ガン性がある」ことも確認されています。

この基準は、どのように決められたのですか?
0.1ppm以下であれば、安全だ」ということですか?

そうじゃないんだ。トリハロメタンは、発ガン性が確認されている有害物質だから、当然ゼロであることが望ましいが、塩素消毒をする限り、トリハロメタンが生成されてしまうことは避けられないんだ。原水が汚染された日本の現状では、これくらいの数値が精一杯というわけだ。
ちなみに、ドイツは25ppb(0.025ppm)という低い量に規制しています。また、WHO(世界保健機関)のガイドラインでは、30ppb(0.03ppm)となっています。

「煮沸すれば、塩素は無くなる」って聞いたんですが、
トリハロメタンは、どうなるのですか?

困ったことに、トリハロメタンは、温度が高くなれば増加する物質なので、水道水を煮沸すると、沸点になるまで、発ガン性物質のトリハロメタンが、3〜4倍にも増加し続けるんだ。だから、沸騰水は、冷水よりも数倍高いトリハロメタンを含んでいることになります。

「トリハロメタンは、煮沸するば増える」とは、ビックリ!
それじゃ私たちは、お茶やコーヒーを毎日飲むことによって、発ガン性物質のトリハロメタンを体内に取り込んでいることになってしまいます。どうにか出来ないんですか?

沸騰してから、約10分位そのまま煮沸し続けると、トリハロメタンは気化し始めて徐々に減っていき、40〜50分位で、ほとんど無くなります。だが、これは理論上のことで、実際に40〜50分も沸騰し続けたら、水も無くなってしまいます。


「苛性ソーダが注入されている」って、本当ですか?

「酸性雨」って、聞いたことがあるだろう。酸性雨というのは、pH5.6以下の雨のことなのだが、現在、日本で降っている雨のほとんどが、この「酸性雨」なんだよ。つまり、水道原水は酸性ということだ。
ところが、水道水が酸性のままでは、勿論、人間の身体には良くないし、送水するときの水道管さえも腐食させてしまうこともあります。
だから、苛性ソーダで中和しているんだ。
なお、水道水質基準では、pH5.8〜8.6になっています。

なるほど! 中和しなければ、ダメなんですね。
だけど、苛性ソーダというのは、石鹸の材料などに使われる「劇薬」ではないのですか?

苛性ソーダは、確かに劇薬ですが、PH値を調整するためにアルカリ剤として注入せざるをえないのです。他に、ソーダ灰や消石灰も使われますが、同じようなものです。


農薬や化学肥料の問題は、どうでしょうか?

農薬や化学肥料が水道水に残留していることは事実です。ところが、農薬と化学肥料とは全く違う物質だから、一緒には考えられないんだよ。
農薬とは、いわゆる「除草剤」のことです。一方、化学肥料は、作物を育てるための肥料、すなわち「栄養剤」にあたるものです。
特に、窒素肥料が「硝酸性窒素」の形で水道水に残留していることが問題になっています。
「硝酸性窒素」って、どんなものですか?

「硝酸性窒素」とは、微生物の働きなどで窒素分が硝酸イオンになったものだ。主な汚染源としては、窒素を含む化学肥料、畜産廃棄物、生活排水の3つが考えられる。
体内に入ると、血液中のヘモグロビンと結合して酸素欠乏を起こすんだ。水道水質基準では、10ppm以下とされています。

「メトヘモグロビン血症」と言われているのは、これが原因ね。さらに、発ガン物質の「ニトロソアミン」が生じる問題もあるそうですね。

そうだよ。硝酸性窒素は、水道水だけの問題ではないんだ。
地下水や井戸水の汚染が特に目立ち、野菜にも多く含まれていることが大きな問題になっています。
詳しくは、なおこ一緒お勉強「硝酸性窒素」をご覧下さい。


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