健康に必要な栄養素の摂取量は、現状で不足しているのか、いないのか?


厚生労働省が出しているビタミンCの栄養所要量が1日50mgなのに、1日2000mgの摂取を勧める学者もいます。このようなギャップは、どうしてできるのでしょうか。
さらに、この問題に関連して、生活習慣病に対する「現代の医療システム」や「人間ドック」の問題についても考えてみましょう。
●現状で栄養素が十分摂れていると言う人、不足していると言う人、どっちが正しいの?
●厚生労働省の栄養所要量は、最低限の健康を維持する数値だ! それは、なぜ?
●栄養士や医師などの専門家たちは、必要な摂取量をどのように考えているのか?
●栄養素をもっと積極的に摂るべきだと言う人は、なぜ、そのように主張するのか?
●現代の医療システムでは、なぜ生活習慣病が治せないのか?
●生活習慣病の早期発見と予防のために、人間ドックは、どうでしょうか?


現状で栄養素が十分摂れていると言う人と、
不足していると言う人がいるのは、なぜですか?
また、どちらが正しいのでしょうか?

両者の主張は正反対ですが、どちらが正しくてどちらが間違っているというものではありません。それはただ、摂取量の前提になる「健康」の捉え方が違うだけなのです。
現状の食生活で栄養素が十分摂れていると言う人たちは、とくに病気でない状態を維持するための栄養素の量を考えているのです。
これに対し、栄養素をもっと積極的に摂るべきだと主張する人たちの意識にあるのは、よりレベルの高い「健康」を獲得するための栄養素の摂取量なのです。

とりあえず病気でなければよいのか、もっと高いレベルの健康を手にしたいのか、その選択によって必要な栄養素の量が変わってくるということですね。

ひとまず病気でなければいいと言う人は、厚生労働省が出している栄養所要量をクリアするだけでいいが、より高いレベルの健康を求めるなら、この所要量では不十分だということですね。
そして、それを決めるのは、あくまでも「自分」だということになります。

一口に必要な摂取量と言っても、「何のために必要な量なのか」を考えあわせると、必要な摂取量は何段階にもなります。
例えば、ビタミンCにしても、
欠乏症である壊血病を防ぐのに必要な摂取量、
結合組織のコラーゲンを滞りなく合成するのに必要な摂取量、
免疫システムを最高の状態に維持するのに必要な摂取量、
日常のストレスから受ける生理的ダメージを最小限に抑えるために必要な摂取量、・・・などと考えていくと、
必要な摂取量は1日50mgにもなるし、1日2000mgにもなるのです。


厚生労働省の栄養所要量は、最低限の健康を維持するだけの数値になっているようですが、それは、なぜですか?

厚生労働省の栄養所要量は、国民全体を対象にしたものだということです。1億以上の人がいれば、「健康」への意識もバラバラです。その人たちをまとめて面倒みるガイドラインを示そうとすれば、健康意識のやや低めの人たちに照準を絞った内容になるのは必然でしょう。厚生労働省の仕事は高尚な理想を掲げることではなく、「国民全体が実行可能」なガイドラインを示すことなのです。

要するに政府は、明らかに栄養不足が原因とわかる疾患が蔓延するようではいけないが、健康に良いからといって一般の食生活では不可能な摂取量を勧告することはできないってわけですね。

その通りだよ。                    【IU=国際ユニット】
高いレベルの健康を獲得するため、1日100〜400IUのビタミンEを摂るのが望ましいことは、既に根拠が示されていますが、厚生労働省の栄養所要量は「1日10IU」のままです。
それは、ビタミンEは食事からはせいぜい1日10IUくらいしか摂れないからです。もし、勧告量を「1日100IU」にしたとすれば、国民すべてにビタミンEのカプセルを買うようにという勧告を出すのと同じことになってしまいます。

なるほど!
生活が楽しくなるからといっても、「国民はすべて、パソコンや車を所有するように!」なんて勧告を出せないわね。

政府機関から出ている公式な勧告量といっても、決して万能ではありません。むしろ、政府から出されているがゆえの限界もあるということですね。
厚生労働省の栄養所要量は、国民にひとまず最低限の健康ラインを確保させるだけの数値であるということを認識しておくべきでしょう。

なお、毎年、政府から発表される国民平均の摂取量で、このような最低限の栄養所要量でさえもクリアしていない栄養素が、カルシウムです。
詳しくは、なおこ一緒お勉強「カルシウム」をご覧下さい。


栄養士や医師などの専門家たちは、
必要な摂取量をどのように考えていますか?

残念なことに、日本の栄養士や医師、栄養学者などの大部分が「現状で栄養素は不足していない」というグループなのです。彼らの意識にあるのは、厚生労働省の栄養所要量と同じなのです。

えっ! 専門家たちのほとんどが「厚生労働省の栄養所要量で十分だ」と言うのですか! それは、どうしてですか?

栄養士や調理師の仕事というのは、厚生労働省のガイドラインに沿った栄養指導や献立作りをすることですから、厚生労働省の出している数字が自動的に彼らの判断の基準になります。その数字が適切かどうかなどと考える必要はなく、栄養所要量をクリアする料理を作ることだけを求められているわけです。
また現在、現場で活躍中の医師や栄養士、栄養学者にしても、目の前の人が「今、病気かどうか」が問題であって、その人が「将来、病気になるかどうか」は関係ないのです。

なるほど! 医師は、病気かどうかを診断し、病気であれば治療する。これは、当り前のことです。
しかし、検査で異常が認められない「健康な人」をどのように扱うかは、医学部でも教えられなかったでしょうし、そんなことを改めて考えてみる医師もいないでしょう。
したがって、医師は病気に関してはエキスパートであるが、
健康には素人と言うことができるのではないでしょうか。


栄養素をもっと積極的に摂るべきだと言う人は、
なぜ、そのように主張するのですか?
よりレベルの高い健康とは、どういうことですか?

検査で異常が認められない「健康な人」が正真正銘の健康体であれば良いのですが、実際はそうではないのです。
現在、死因の大半は、ガンなどの生活習慣病と言われていますが、一般に生活習慣病と呼ばれる疾患は、ある日突然に飛び込んできたウイルスによって発病するものではなく、何十年もかかって少しずつ状態が悪化していくタイプの疾患なのです。
例えば、「早期発見、早期治療が一番大切だ」と言われるガンも、1cmくらいの大きさにならなければ発見できません。ところが、ガンが発生してから1cmくらいになるのに、最短で約9年間もかかっているのです。
生活習慣病といわれる疾患は、検査で異常が認められ、「生活習慣病」と診断されたときには、かなり病状が悪化しており、治すのが困難な状態になっていることが珍しくありません。

栄養素を積極的に摂るべきだと言う人は、「生活習慣病の予防」を意識しているのです。したがって、「よりレベルの高い健康」とは「生活習慣病にならない健康」ということになります。

なるほど! 「転ばぬ先の杖」ということですね。
生活習慣病は、「病気と診断されたときは、もう手遅れ」というぐらいだから、当然ね。

おい、おい! 「もう手遅れ」とは、少し言い過ぎじゃないかね。
だが、いくら医学が進歩したといっても、「病気で長生き」の状態を作ってしまう現代の医療システムでは、そのように言われても仕方がないがね。


現代の医療システムでは、
なぜ、生活習慣病が治せないのですか?

現代の医療システムで病気か健康かを分けるのは、往々にして検査の数値です。そのために検査値を正常にすることが医療の目的のようになっている傾向があります。病気の原因を治療して健康体にするのではなく、とりあえず薬品で検査値を改善したりして、表面的な症状を抑えることが目的にすり替えられているようです。
生活習慣病といわれる慢性疾患の場合、処方される薬品のほとんどが症状を隠すだけの作用しかありません。病気の原因を治しているわけではないのです。薬を飲んで血圧や血糖値が正常値に戻れば健康状態が良くなったのだと考えているとしたら、大変な誤解です。

そりゃ、そうですよね。高血圧の患者が血圧降下剤を飲んで血圧が下がったとしても、病気が治ったことにはならないわ。薬が要らなくなって初めて「病気が治った」と言えるのよ。
もともと血圧が上がるのには、それなりに理由があるはずです。その原因を解決しないで放置しておけば、健康状態そのものは、更に悪化していきます。そうなれば当然、薬の種類や量が増えていくことになります。

確かに、薬を手放せないようでは「病気が治った」とは言えないですね。まして症状が悪化して、薬の量が増えていくようでは、尚更ですね。
だけど、最近では、医療も随分進歩しているように聞きますが、それでもダメなんですか?

画期的な医療の新技術といっても、目の前に迫った死期を先延ばしにするようなものばかりで、成人病の原因を根本から解決して健康を取り戻せるようなものは無いんだ。
例えば、冠状動脈へのバイパス手術で血液の新たな流れを確保できたとしても、冠状動脈が詰まった原因は全く解決されていません。このように、患者の命を長らえさせる医療技術は、これからも洗練されていくでしょう。症状を隠したり、検査の数値をとりあえず正常値にする薬品も同様です。
しかし、「生活習慣病の根本の原因を解決せず、症状を抑えるだけ」という現状のシステムの発想が修正されない限り、「病気で長生き」を増やすことに変わりはないのです。


最近では、生活習慣病の早期発見と予防のために、
人間ドックを利用する人が多くなりましたが、
それは、どうでしょうか?

毎年1回、人間ドックに入り、病気が早期に発見できれば、後は医者に任せて治療してもらえばよい、と考えている人が多いようですが、それは間違いです。
生活習慣病というのは、前項で述べたように、検査で異常が発見される時点では、かなり病状が進行しているのです。いくら人間ドックで早期に発見できたとしても、それは生活習慣病がかなり進行した状態を比較的早めに見つけられるだけなのです。

それじゃ病気になるのを待っているだけで、
とても「予防」とは言えませんね。

病気の早期発見はとても大切なことだから、人間ドックは否定しないが、「予防ではない」ことだけは認識しておいて欲しいね。
それに、いくら早期に発見しても、薬品に頼って症状を隠すだけの医療を続けていれば、確実に病状は悪化していきます。

早期発見、早期治療なんて、のんきなことを言ってられないのよ。
初めから病気を進行させなければ発見も治療もする必要がないんだもの。それだけの良好な健康状態にしてしまうのが、本当の予防のはずよ。


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