健康栄養補助食品の販売と法律

健康栄養補助食品を販売していく上では、正しい情報を正しく伝えることこそが、信用を築く基本です。ここでは、健康栄養補助食品の販売活動を法律面から考えて見ましょう。
●健康栄養補助食品にも「薬事法」が適用されるのですか?
●テレビの健康番組などで食品の効能について取り上げられていますが、薬事法違反にならないのですか?
●自分の体験を伝えるのは、薬事法違反にはならないのですか?
●健康栄養補助食品に関して専門家が講演しているビデオを使いたいのですが、注意することは?
●ダイエット商品の広告を見ると「必ず痩せる」「体脂肪が半分になる」など、いろいろな表現がされていますが、それらは許される範疇でしょうか?
●「医薬部外品」とは、どんなものですか?
●≪参考資料≫ 薬事法(抜粋)

健康栄養補助食品にも「薬事法」が適用されるのですか?

健康栄養補助食品とは、健康維持を目的として使用される食品の総称です。したがって、食品である以上、医薬品などに関する法律である薬事法とは関係ありません。
しかし、薬事法第2条に、「医薬品とは、病気の治療、診断、予防、さらに身体の構造または機能に影響を及ぼすことを目的とするもの」とされています。したがって、医薬的な効能効果を標榜すれば、この目的を持つことになり、健康栄養補助食品でも、薬事法にいう「未承認無許可の医薬品」と判断され、その適用対象になります。

あくまでも食品だから、基本的には薬事法とは関係ないが、医薬的な効能効果を標榜した時点で、薬事法の適用を受けるということですね。

医薬的な効能効果を標榜すると、人によっては、その健康栄養補助食品を過信しすぎて、本来受けるべき医学的な治療行為をやめてしまったり、服用すべき薬を服用しなかったりというような健康被害が発生する可能性があるので、薬事法で規制されるのです。

テレビの健康番組などで食品の効能について取り上げられていますが、薬事法違反にならないのですか?

情報提供として健康栄養補助食品の効能効果について表現するのは何ら薬事法違反にはなりません。薬事法第68条で禁止しているのは、健康栄養補助食品の販売と関連して効能効果を標榜することであり、広告として行うことを禁じているわけですから、情報提供の一環として説明することは原則として問題ありません。
ところが、その健康栄養補助食品を扱っている会社が金銭的な提供を行う番組で、会社名や商品名、連絡先などを取り上げたりして効能効果を説明すれば、薬事法違反の問題が出てきます。

ただ単なる情報提供としてならいいが、特定の健康栄養補助食品の販売に関連すればダメということですね。テレビショッピングなどの場合は、明らかに販売目的だから、当然ダメですね。

それでは、「効能効果を標榜しても薬事法違反にならない場合」を説明しておきましょう。
まず、明らかに食品であると認知されているもの(米や味噌など)は効能効果を標榜しても薬事法違反になりません。例えば「味噌で健康になれる」と宣伝しても、誰もが医薬品と違うことは知っているので、そのような宣伝文句に惑わされて病院通いをやめるような人はいないからです。
次に、特定保健用食品の許可を受けている製品については、その範囲内で効能効果について表現することは差し支えありません。

自分の体験を伝えるのは、薬事法違反にならないのですか?

これも前項の「テレビの健康番組」と同様に、自分の体験をそのまま情報として伝えること自体は薬事法に違反しませんが、これが販売に関連した行為であれば薬事法に抵触してきます。
よく新聞のチラシや講演会などで体験談が話されていることがありますが、その講演会やチラシが純粋な勉強目的のものでない限り、薬事法違反になります。

たとい自分の体験であろうが、販売に関連した行為であればダメだということですね。

健康栄養補助食品に関して専門家が講演しているビデオを使いたいのですが、注意することは?

健康栄養補助食品に関して、その成分や由来、或いはその効能効果などについて専門家がビデオで解説することも、そのビデオ自体は薬事法違反にはなりません。
しかし、販売の際にそのビデオを渡したり、そのとき販売しなくても将来販売することを目的としてそのビデオを利用すると薬事法に抵触します。

専門家が講演するビデオでも販売に関連しては使えないのね。

ダイエット商品の広告を見ると、「必ず痩せる」「体脂肪が半分になる」「理想の体重を実現」など、いろいろな表現がされていますが、それらは許される範疇でしょうか?

薬事法第2条第1項で、医薬品とは単に病気の予防・治療・診断を目的とするものだけでなく、身体の機能構造に影響を及ぼすことが目的とされるものも含むとしています。
したがって、「痩せる」などの表現は身体の機能構造に影響を及ぼすわけですから薬事法の問題になりそうですが、実際の取り扱いでは、単に身体の構造に影響を及ぼすというよりは、むしろ身体の機能に影響を及ぼした上で身体の構造に影響を及ぼすという表現の場合、薬事法違反の取り扱いがされているようです。即ち、「痩せる」という表現が問題なのではなく、ある健康栄養補助食品で「体脂肪の燃焼が促されて」痩せるという表現が入った場合、薬事法違反と判断されるのです。

身体の機能に影響を及ぼす表現が入ってなければ、「痩せる」という表現もOKなのね! 例えば「この食品は低カロリーなので痩せます」などは”問題なし”ということですね。
それじゃ、「必ず痩せる」などの表現は許されるのですか?

やはりダメなんじゃよ。確かに、「必ず痩せる」「体脂肪が半分になる」「理想の体重を実現」などの表現は薬事法違反にはならないが、景品表示法違反(誇大広告)の問題が出てきます。

薬事法だけじゃなく、「誇大広告」に関する法律にも気をつけなくてはいけないのね。

「医薬部外品」とは、どんなものですか?

「医薬部外品」とは、「原則的に定められた使用目的があり、その目的が人または動物の疾病の予防的なものに限られ、人体に対する作用が緩和なもの」と薬事法で定めています。
ここで注目したい点は、使用目的が予防的なものに限られているということで、疾病の診断や治療的なものは認められていません。
具体的には、薬用化粧品、浴用剤、薬用歯磨、制汗剤、育毛剤、除毛剤、染毛剤、パーマネントウェーブ剤、衛生綿類、殺虫剤、殺鼠剤、外皮消毒剤、傷消毒保護剤、ひび・あかぎれ用剤、あせも・ただれ用剤、うおのめ・たこ用剤、かさつき・あれ用剤、のど清涼剤、健胃清涼剤、ビタミン・カルシウム剤、ビタミン含有保健剤などです。

医薬部外品の使用目的が予防的なものに限られている
とは、思いもしませんでした。

医薬部外品というのが、何となく分かってきました。
例えば「薬用化粧品」でも、「肌荒れを防止する」という表現はOKだが、「肌荒れを治す」という表現はダメだということですね。

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≪参考資料≫
薬 事 法 (抜粋)
第一条(目的)
 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療用具の品質、有効性及び安全性の確保のために必要な規制を行うとともに、医療上特にその必要性が高い医薬品及び医療用具の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

第二条(定義)
 この法律で「医薬品」とは、次の各号に掲げる物をいう。
日本薬局方に収められている物
人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であって、器具器械(歯科材料、医療用品及び衛生用品を含む。以下同じ。)でないもの(医薬部外品を除く。)
人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、器具器械でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)
 この法律で「医薬部外品」とは、次の各号に掲げることが目的とされており、かつ、人体に対する作用が緩和な物であって、器具器械でないもの及びこれらに準ずる物で厚生労働大臣の指定するものをいう。但し、これらの使用目的のほかに、前項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることもあわせて目的とされている物を除く。
吐き気その他の不快感または口臭若しくは体臭の防止
あせも、ただれ等の防止
脱毛の防止、育毛または除毛
人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみ等の駆除または防止
 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し容貌を変え、または皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、医薬品及び医薬部外品を除く。
(中略)
第六十六条(誇大広告等)
 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
(中略)
第六十八条(承認前の医薬品等の広告の禁止)
 何人も、第十四条第一項に規定する医薬品又は医療用具であつて、まだ同項(第二十三条において準用する場合を含む。)又は第十九条の二第一項の規定による承認を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。