なおこ一緒お勉強
活性酸素
”無くては困るが、在り過ぎると余計に困るもの”

活性酸素の種類とその対策
@活性酸素の種類A活性酸素の発生と分解B一重項酸素CSODと抗酸化物質

@活性酸素の種類

 体内で発生する活性酸素には、どのようなものがありますか?
 体内で発生する活性酸素は、次の4種類です。
スーパー
オキシド
エネルギー代謝の過程や、ウイルスや細菌など、異物の侵入により、最初に、しかも大量に発生します。
SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)で分解。
過酸化水素 スーパーオキシドが反応して、常に発生しています。
(殺菌消毒薬のオキシドールは過酸化水素の3%溶液で、活性酸素の酸化力を利用しています)
カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼで分解。
ヒドロオキシ
ラジカル
スーパーオキシドから生じた過酸化水素が、更に反応して発生します。
スーパーオキシドの数十倍という毒性を持つ凶悪な活性酸素で、遺伝子や細胞膜を傷つける発癌の張本人と見られています。
ところが、ヒドロオキシラジカルを分解する酵素は、体内に存在しません。
一重項酸素 紫外線などの光の刺激により、皮膚や目に発生する。皮膚を形成しているタンパク質や脂肪を酸化、変質させる。

A活性酸素の発生と分解

 活性酸素は、体内でどのように発生して、どのように処理されていくのですか?
 生体内で活性酸素が発生し、それが分解されていく過程を示しておきましょう。
酸素が電子1個を余分に取り込む。
不安定になり、強烈な酸化力を示します。
(活性酸素「スーパーオキシド」の発生)

SODで分解します。
SODは、還元反応(水素が加わる反応)を促進する触媒として働きます。
スーパーオキシドをSODが分解する過程で発生します。(水素が結合する)

カタラーゼグルタチオンペルオキシダーゼで分解します。
過酸化水素が2つに分解される。
(鉄[Fe]が反応を促進する)

こうなれば、モー大変! まさしく電子が1個足りない状態で、スーパーオキシドの数十倍という毒性を持つ凶悪な活性酸素です。
しかも、体内に分解酵素は存在しません。
 ヒドロオキシラジカルは凶悪なだけじゃなく、私たちの体内にはそれを分解する酵素が無いのね。
 だからこそ、私たちの身体は、ヒドロオキシラジカルを発生させまいと、何段階にも消去システムを作っているのです。
 まず第1段階でSODが働いてスーパーオキシドを分解します。その過程で変化した過酸化水素を、第2段階でカタラーゼが分解します。それでも処理できなかった分を、更にグルタチオンペルオキシダーゼが消去します。
 私たちの身体は、実にうまく出来ているものですね。
 感心ばかりしていられませんよ。SODなどの分解酵素は40歳前後からその生産量の低下と共に分解する能力も低下していきます。更に、私たちを取り巻く生活環境は、必要以上に活性酸素を発生させているのです。
 だから私たちは、活性酸素を消去するために援軍を送ってやらなければなりません。援軍とは栄養バランスの良い食事のことです。特に抗酸化力の強い食品を摂ることが体内の抗酸化機能を高めることになります。また、体内に分解酵素が存在しないヒドロオキシラジカルを除去するには、外からの援軍が、是非とも必要なのです。

B一重項酸素とは

 一重項酸素について、詳しく教えてください。
 一重項酸素とは、放射線や紫外線などの作用で、酸素分子が均等開裂して発生する活性酸素です。
 「ガンの放射線療法」というのを聞いたことがあるでしょう。この療法は、ガン組織に大量の活性酸素を発生させ、その毒性でガン細胞を退治するものです。副作用を伴うのは、その活性酸素が正常な細胞まで傷つけてしまうからです。
 また、晴れた日の布団干しや衣類の虫干しは、ふわふわして気持ちの良いものですが、本来の目的は殺菌なのです。つまり、太陽の強い紫外線を浴びさせて雑菌に活性酸素を大量発生させ、自滅してもらうのです。
 これと同様に、私たちの身体も強い紫外線を浴びると、その刺激で皮膚組織に活性酸素(一重項酸素)が発生します。そして、この活性酸素がメラニン色素の形成を促進し、組織にダメージを与え、お肌のシミ、ソバカス、シワの原因になります。
 紫外線が”美肌の敵”と言われるのは、こういうことなのね。
 皮膚だけではなく、目も絶えず紫外線の刺激でダメージを受けています。水晶体にはSODなどの酵素が存在し、活性酸素を消去していますが、40歳前後からSOD機能が低下して活性酸素の発生に対処しきれなくなります。長年のダメージの蓄積で水晶体が白く濁り、極端に視力が低下してしまうのが「白内障」です。

CSODと抗酸化物質

 SODと抗酸化物質について、詳しく教えてください。
 SODとは、Super Oxide Dismutase の略で、その名が示すように「スーパーオキシド」という活性酸素を分解する酵素です。
 SODは、約153個のアミノ酸が連なり、コバルト[Co]、マンガン[Mn]、亜鉛[Zn]を中心に含有するタンパク質で、スーパーオキシドが過酸化水素に変化する反応だけに係わり、それ自体は変化せず、反応を促進する触媒として働きます。
 また、SODを内服しても胃酸によって分解され、そのまま吸収されないので効果もありません。だから、SODとよく似た作用をする素材を「SOD様食品」として摂取するのです。
 なるほど! SOD様食品というのは、SODそのものではないが、SODとよく似た作用をする健康食品ということですね。
 次は、「抗酸化剤」について、お話します。
 抗酸化剤というのは、自分が酸化されることによって活性酸素の毒性を消去するもので、ビタミンCやビタミンE、β-カロチンがその代表的なものと言えます。
 これらの抗酸化剤は、自ら酸化されることによって活性酸素を消去するので、瞬時に発生する大量の活性酸素を消去するには不向きですが、体内の酵素で消去し切れなかった活性酸素を消去するためには、是非とも必要なものです。
 ビタミンCは水溶性なので、細胞の中には入れないため、細胞膜の表面で還元力(抗酸化力)を示します。逆に、ビタミンEは脂溶性なので、細胞内で効果を発揮できるが、表面では無理です。
 ここでは、ビタミンCとビタミンEの例を挙げましたが、一口に「抗酸化剤」と言っても、それぞれ特徴があります。したがって、その特徴をよく吟味して「健康食品」を上手にご活用ください。何はともあれ一番大切なのは「バランスの良い食事」をすることです。

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