なおこ一緒お勉強
活性酸素
”無くては困るが、在り過ぎると余計に困るもの”

酸素と酸化還元フリーラジカル
@酸素とはA酸化・還元とはBどうして酸化するかCフリーラジカルとは

@酸素とは

 酸素とは、一体どんなものですか?
 酸素は空気の約20%を占める無色、無味、無臭の気体です。英語では[Oxygen]と言い、元素記号は[O]で表します。
 酸素原子1個では不安定で、自然界には、酸素原子2個が結合した状態、つまり、酸素分子[O]の形で存在しています。私たちが一般に酸素と言っているのは、酸素分子[O]のことです。
 酸素は私たちの生命維持には欠くことのできないものですが、一方では強力な酸化力があり、食べ物を腐敗させたり鉄さえも錆びさせてしまうほどの毒性を発揮します。
 酸素分子[O]とは、どういうものですか?
 「Bどうして酸化するか」の項を参照して頂ければ分かるように酸素の原子は、電子が2個不足しているので、とても不安定です。
 だから、酸素原子が2個、互いに不足した電子を共有する形で結合して自然界に存在する。これが、酸素分子[O]です。
 このように、互いの電子を共有する形で結合することを「共有結合」と言います。ちなみに、酸素原子1個と水素原子2個が共有結合した物質が、水[HO]です。 

A酸化・還元とは

 酸化・還元というのは、どういうことですか。
 酸化は、ある物質と酸素が化合することで、化合は2種類以上の物質が結合して、全く別の物質を作る化学変化のことを言います。よって、酸化というのは、ある物質と酸素が結合して、全く別の物質を作る化学変化のことになります。さらに広い範囲で定義すると、「酸化とは、ある物質から電子を奪って結合すること」になります。
 還元とは「元の状態にもどる」という意味で、酸化物から酸素が取り去られたり、金属化合物から金属元素が遊離される変化のことです。一般的には、化合物から酸素・塩素のような電気的陰性の元素を除くか、または水素を結合させることです。
 このように、改めて定義されると難しいわね。「酸化する」ということは、金属が錆びたり、食べ物が腐敗したり、物が燃焼したりする。これ位のことしか、私の頭にはなかったから! 
 確かに、「錆びる」「腐る」「燃焼する」というのは、代表的な酸化現象ですね。その他、漂白や殺菌なども酸化現象なんだよ。
 ただ、ここで「酸化・還元の定義」を詳しく述べたのは、テーマである「活性酸素とフリーラジカル」、さらに、それを除去する「抗酸化物質の働き」が酸化・還元反応だからです。即ち、活性酸素やフリーラジカルの毒性は「酸化作用」であり、抗酸化物質の働きは「還元作用」、または、その反応を促進する触媒であるということです。

Bどうして酸化するか

 酸素には、どうして酸化力があるのですか?
 これは大変な質問だね。このように単純で当り前の質問が一番難しいんだ。これを理解するには、「原子の構造」を知る必要があるんだが、取り敢えず酸化に関連する部分だけを説明しておきます。
 原子は原子核と電子で構成され、中心に原子核があって、その周囲を電子が超高速で回転しています。電子配列には規則があり、1番内側(K殻)に2個、2周期目(L殻)に8個、3周期目(M殻)に18個、4周期目(N殻)に32個・・・・・の電子が入れるようになっており、その数が満たされたときを「閉殻」と言い、その物質は安定します。ただし、M殻以降は8個で取り敢えず一時的に閉殻となり、安定します。
 電子は同一軌道を2個1対で回転します。だから、2周期目(L殻)には4つの軌道があって、それぞれの軌道を2個ずつの電子が回転していることになります(物質の安定状態)。
 ところが、それぞれの軌道に電子が1個だけ(これを、「不対電子」と言う)の場合、その物質は不安定であり、他から電子を奪って、または電子を放出して安定しようとします。
 酸素原子の電子は8個です。だから、1番内側(K殻)に2個、2周期目(L殻)に6個存在することになります。そこで、この6個の電子をL殻の4つの軌道に配列すると、2つの軌道が電子1個ずつになります。
 だから、酸素原子は、常に他の物質から電子を奪って結合しようとします。このように電子を奪おうとする力が酸化力であり、他の物質から電子を奪って結合することを酸化と言います。
 「ある物質から電子を奪って結合すること」という酸化の定義が良く分かりました。それでは、このように電子を奪って結合しようとする物質が、酸素以外にもありますか?
 電子を奪って結合しようとする元素は酸素以外にも幾つかあります。さらに、それらの元素が2種類以上結合した物質(分子、または基)まで含めますと、たくさん存在します。その一例として、フッ素[F]と塩素[Cl]について、説明してみましょう。
 フッ素[F]の電子は9個で塩素[Cl]の電子は17個だから、どちらも最外殻の電子が7個となり、安定な状態には1個足りません。従って、他の物質から電子1個を奪って安定な形になろうとします。そのときに殺菌や漂白など、酸素と同様な働きをすることはよく知られています。
 最近では「フリーラジカル」という言葉をよく耳にされると思いますが、これも他の物資から電子を奪おうとする不安定な物質です。

Cフリーラジカルとは

 「フリーラジカル」について、詳しく教えてください。
 フリーラジカル[Free Radical]を日本語に直訳すると、「遊離した基(き)」となりますが、分かり難いので少し説明しておきます。
 「基(ラジカル)」とは、化学反応の際、1つの原子のように離れずに化学変化をする原子団のことです。例えば、水酸基(ヒドロオキシラジカル)、硫酸基などと表現されます。
 さらに、この「基」が遊離した状態とは、逆に「他の物質と結合し易い状態である」ということになります。なぜなら、「Bどうして酸化するか」で説明した不対電子(同一軌道に1電子)を持った、不安定な物質だからです。
 ここで勉強中の「活性酸素」やなおこ一緒お勉強「硝酸性窒素」の亜硝酸や一酸化窒素などもフリーラジカルの一種です。
 医学界では、なぜ、フリーラジカルを問題にするのですか?
 それは、フリーラジカルが他の物質を酸化して錆びさせてしまうだけではなく、他の物質と反応して新しいフリーラジカルを生成(増殖)する特徴をもっているからです。
 フリーラジカルは電子が不足して不安定だから、他の物質から電子を強引に奪って安定しようとします。すると今度は、その電子を奪われた物質が新しいフリーラジカルになり、他の物質から電子を奪うので、さらに新しいフリーラジカルが生成されることになる。
 このような「フリーラジカルの増殖反応」は、それを消滅させる物質と反応して消失しない限り、連鎖反応的に続くのです。
 なるほど! フリーラジカルが”雪だるま式”に増殖して、一瞬に細胞膜などを錆びさせてしまうのね。そして、その増殖するフリーラジカルを消滅させる物質が、ビタミンCやビタミンEなどの「抗酸化物質」ということですね。

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