なおこ一緒お勉強
活性酸素
”無くては困るが、在り過ぎると余計に困るもの”
 活性酸素が一般に知られるようになったのはここ10年ほどですが、この間、活性酸素は医学界における主要テーマの1つとされてきました。さまざまな研究成果から明らかにされるその実態は、私たちの想像をはるかに超える恐ろしいものであると言っていいでしょう。
基礎講座/目次
@活性酸素とは
A活性酸素が健康
 に及ぼす影響
B活性酸素が
 発生する原因
C必要以上に活性
 酸素を増やさない
D体内の抗酸化
 機能を高める

@活性酸素とは

 「活性酸素」って、どんなものですか?
 活性酸素というのは、酸素が体内で変身したものですが、酸素とは比べものにならないほど強い毒性(酸化力)を示します。詳しくは、「活性酸素の種類と発生する過程」をご覧下さい。
 また、活性酸素の元は酸素だから、活性酸素を知るには、酸素について改めて考えてみる必要があります。詳しくは、「酸素と酸化・還元」をご覧下さい。
 酸素は私たちの生命維持に不可欠なものですが、一方では食べ物を腐敗させたり、鉄をも錆びつかせてしまうほど強力な酸化力(毒性)を持っています。
 いきなり「酸素が毒だ」と言えば驚かれるでしょうが、私たちは90%以上の高い濃度の酸素を12時間以上吸い込むと、呼吸器系に炎症が起こり、さらに72時間以上になると、致死的な変化が起こります。  
 酸素がなければ生きられない筈の私たちが酸素を吸い過ぎると死んでしまうなんて不思議ですね。 
 「未熟児網膜症」という病気があります。これは、未熟児を育てる保育器内の酸素濃度が高過ぎたために目の網膜に異常が起こり、失明してしまうものです。この病気をきっかけに「酸素の毒性」の研究が始まり、「活性酸素」の実態が徐々に明らかになってきました。今日では、様々な病気や老化現象との関わりも解明されています。
 活性酸素は酸素と同様に”両刃の剣”と言えます。その強烈な酸化力で体内を錆びつかせたり、遺伝子までも傷つけてしまう一方で、私たちの生体の防御の役割も担っているのです。
 「活性酸素が私たちの生体の防御の役割を担っている」って、どういうことですか?
 血液中に白血球という細胞があります。この白血球にもいくつかの種類があり、「好中球」と呼ばれる細胞は、私たちの体内に侵入したウイルスや細菌を捕えて壊す役目を担っています。その際、この細胞が武器として使うものが活性酸素なのです。
 ところが、活性酸素がウイルスや細菌のみを撃退しているうちはいいのですが、必要以上に発生し過ぎると、正常な細胞まで攻撃してしまって組織を傷つけ、病気を引き起こす原因にもなります。
 要するに、活性酸素は、ある一定の量までは”正義の味方”だが、その状態を超えて増え過ぎると、突然”悪者”に変わってしまう。
「無くては困るが、在り過ぎると余計に困る」 実に厄介なものですね。

A活性酸素が健康に及ぼす影響

 活性酸素は、私たちの健康にどんな影響を及ぼしますか?
 活性酸素は、いろいろなものにアタックして、その毒性を示します。細胞を構成している細胞膜の主成分は不飽和脂肪酸という物質ですが、活性酸素はこれを酸化させ、過酸化脂質に変化させてしまうので、細胞は機能できなくなってしまいます。
 さらに困ったことには、その反応が毒性を持った新たな物質を生成することです。生成された物質もやはり不安定で、それが他の細胞にもダメージを与え、大きな被害を生体に引き起こすことになるわけで、雪だるま式に反応が進むと言われます。このように、不安定で毒性があるものを「フリーラジカル」と呼んでいます。
 活性酸素は、細胞を錆びさせて機能できなくするだけじゃなく、新たな毒性物質「フリーラジカル」も生成してしまうのですね。
 活性酸素やフリーラジカルは、遺伝子を構成する核酸にも影響を及ぼします。そのため、遺伝情報が正確に伝わらなくなり、いろいろな細胞機能異常が現れ、癌の発生原因にもなっています。
 さらに、活性酸素やフリーラジカルは、「老化現象」にも繋がっていると言われています。
 このような活性酸素やフリーラジカルに対して、私たちの身体はどのように対処しているのですか? 
 私たちの体内で常に活性酸素が発生しているにも拘らず、私たちがこのように生きていられるのは、必要以上に発生する活性酸素を速やかに消し去る仕組みが身体に備わっているからです。この機能を「抗酸化機能」といい、その役割をする物質を「抗酸化物質」とか「スカベンジャー(掃除人)」と呼びます。代表的なものが、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という酵素です。
 ところが、体内で生産されるSODの量には限りがあり、しかも40歳前後からその生産量が減少していきます。その頃から体の調子が悪くなり、生活習慣病などが増えるのもそのためです。

B活性酸素が発生する原因

 活性酸素は、どのようにして発生するのですか?
 私たちは呼吸によって酸素を摂り入れ、エネルギー代謝を行っていますが、その過程で、摂り込まれた酸素のうち約2%が活性酸素になると言われています。
 ところが現在、私たちの身の回りには、必要以上に活性酸素を増やす要因がひしめいています。例えば、
 ●自動車の排気ガスや工場の煤煙などによる大気汚染
 ●食品添加物や農薬・化学肥料などを使用した食べ物
 ●現代生活には欠かせない電気製品が発する電磁波
 ●レントゲン撮影による放射線
 ●近年世界的な問題とされるオゾン層の破壊による大量の紫外線
 ●日常生活におけるストレス
などが活性酸素を過剰に発生させる要因として挙げられます。
 また、激しい運動(無酸素運動)によっても活性酸素が大量に発生します。これは、筋肉が一時的に虚血状態になり、その後、急に血流が再開するためです。
 現代の文明社会で生活する限り、これらから完全に逃れることは不可能なようですが、どのようにすれば、いいのでしょうか?
 活性酸素の害から身を護るには、次の2つのことに注意してください。
 1つは、必要以上に活性酸素を増やさない努力です。
 もう1つは、体内で必要以上に発生する活性酸素を速やかに消去すること、即ち、抗酸化機能を高めることです。

C必要以上に活性酸素を増やさない

 活性酸素を必要以上に増やさないようにするには、どのようにすれば良いか、具体的に教えてください。
 次のことに気をつけて生活すれば良い。と言っても、現代社会では、これらのことを100%実行するのは難しそうです。だが、常に意識している人と、全く意識しない人とでは、大きな差がつくでしょう。
 ●食品添加物が入っていない、または少ない食品を選ぶ。
 ●野菜や果物は、農薬や化学肥料の使われていないものを選ぶ。
 ●タバコを吸わない。
 ●深酒をしない。
 ●排気ガス、大気汚染に気をつける。
 ●紫外線に気をつける。
 ●化粧品や洗剤は、石油系を使わない。
 ●必要以上に薬を常用しない。
 ●ストレスを上手にコントロールする。

D体内の抗酸化機能を高める

 どのようにすれば、抗酸化機能を高めることが出来ますか?
 必要以上に発生する活性酸素を除去するには、酸化力を抑える抗酸化物質を外から補ってやる必要があります。
 そこで、ビタミンCやビタミンE、β-カロチンなどを積極的に摂ることが勧められていますが、これらの抗酸化物質が活性酸素を消去するには、自らが活性酸素と化合して無害化しなければなりません。そのため、消去する活性酸素と同じ量の抗酸化物質を必要としますので、多量に発生した場合は、余り効果的とは言えません。
 これに対して、SODという酵素は触媒ですから、僅かな量でも効率よくたくさんの活性酸素が消去でき、効果的な働きが可能となります。
 ところが、SODという酵素は、スーパーオキシドという活性酸素だけに反応し、他の活性酸素には無力なのです。その上に反応の過程で過酸化水素という活性酸素を生成してしまいます。
 さらに、過酸化水素を分解するのは、カタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼという酵素なのです。
 このように、それぞれの抗酸化物質によって、反応する活性酸素が異なっていたり、ビタミンCは細胞の表面で、ビタミンEは細胞内でというように、それらが働く場所(身体の部位)も異なっているのです。
 これら以外にも、β-エンドルフィン(脳内モルヒネ)、メラトニン(松果体ホルモン)というような体内ホルモンにも抗酸化機能があります。
 最近、還元水(抗酸化水)、SOD様食品、機能性食品などと呼ばれるものが数多く販売されていますので、上手に活用してください。
 一口に「抗酸化物質」と言っても多種多様なのね。それぞれが効果を発揮する相手や場所までが異なっているとは、驚きました。
 それでは、どのようにすればいいか?
「活性酸素の種類と、その対策」のページで詳しくまとめて見ましょう。

ほっと一息!  皆さん! いかがでしたか。

質問やメールをたくさん送ってね。お待ちしています。

なおこ

酸素と酸化・還元/フリーラジカル 活性酸素の種類と、その対策